植物レッドデータブックCOMPLETE

もっと詳しく見てみよう その2

ご注意:このサイトでは、各レッドデータブックの種名を独自の基準で統一して数を数えていますので、正式な数と違っていたり、場合によっては間違っているかもしれません。 参考にして頂いて結構ですが、正確さまで責任は持てませんので、ご了承の上お読みください。

レッドデータブックの登録種数

全国で約7,900種が指定されています。

・このサイトでは、植物として、種子植物、シダ植物、コケ類、地衣類、藻類を載せています。(キノコなどの菌類は載せていません)

・県によって、コケ類などを入れているところとないところがありますが、環境省と47都道府県の48RDBでは約7,900種が指定されています。

・このうち、種子植物とシダ植物を合わせた維管束植物は約6,600種指定されていますが、これは国内に生育する在来種約8,800種の約75%に相当します。

・「4種に3種」が指定されているとは、かなり驚きですね。

横並びで比べてみよう。でも、、

・ここからは、各県の状況を比べてみます。

・しかし、横並びで比べること自体はあまり意味がないことですので、”へえ、そんな比較もできるのね”くらいに見てください。

・というのも、各県に生育している種数が異なるし、生育情報の量も異なるし、何より、各県のレッドデータブック選定委員会の判断過程が大きく異なりますので。

最も指定が多いのは鹿児島県、少ないのは岐阜県

・種子植物+シダ植物=維管束植物の種数で比較すると、最も指定が多いのは鹿児島県の2,377種、続いて東京都の995種。逆に最も少ないのは岐阜県の189種です。

・指定種の数が多いか少ないか、それ自体が県の野生植物の緊急度を表しているかどうかは分かりません。

・個人的な感想ですが、鹿児島県の約2,400種は異常に多いと思います。確かに、屋久島などの島々も含み国内で最も多様な環境を含む県です。ですが、県内の維管束植物約3,000種の80%というのは、多すぎるような気がします。これでは、逆に、保全の緊急性が薄まってしまわないか心配です。

指定種数棒グラフ

図1 維管束植物(種子植物+シダ植物)の指定種数順 [H19.12時点]

表1 県別指定種数 [H19.12時点]
発行元 種子 シダ コケ 地衣 藻類 (順位)   維管束植物 (順位)
環境省 1,807 211 289 148 193 2,648
-
  2,018
-
北海道 466 46 512 32   512 29
青森 287 12 24 29 11 363 44   299 46
岩手 518 36 554 26   554 25
宮城 461 48 38 547 28   509 30
秋田 758 117 875 6   875 4
山形 430 32 462 35   462 33
福島 592 73 116 781 12   665 15
茨城 332 59 391 41   391 40
栃木 445 33 46 62 11 597 23   478 32
群馬 350 32 382 43   382 42
埼玉 663 106 107 65 31 972 4   769 9
千葉 642 96 58 36 25 857 7   738 11
東京 823 172 995 2   995 2
神奈川 516 91 91 698 17   607 20
新潟 572 95 667 18   667 14
富山 353 34 387 42   387 41
石川 546 106 652 21   652 18
福井 394 64 34 492 34   458 34
山梨 389 66 455 36   455 35
長野 875 117 992 3   992 3
岐阜 174 15 189 47   189 47
静岡 557 106 663 19   663 17
愛知 495 60 555 25   555 24
三重 325 104 90 519 31   429 37
滋賀 465 54 1 4 524 30   519 28
京都 557 108 139 804 11   665 15
大阪 423 28 451 37   451 36
兵庫 503 93 106 17 719 16   596 21
奈良県 639 112 751 14 751 10
和歌山 452 75 527 29   527 27
鳥取 286 44 330 46   330 45
島根 276 63 8 6 1 354 45   339 44
岡山 498 67 43 608 22   565 23
広島 304 50 54 14 11 433 38   354 43
山口 546 80 28 654 20   626 18
徳島 705 109 814 10   814 6
香川 337 64 401 40   401 39
愛媛 714 112 59 885 5   826 5
高知 657 118 775 13   775 8
福岡 495 85 580 24   580 22
佐賀 348 61 409 39   409 38
長崎 481 69 550 27   550 26
熊本 681 124 14 819 9   805 7
大分 603 102 31 736 15   705 12
宮崎 434 73 507 33   507 31
鹿児島 2,072 305 3 2,380 1   2,377 1
沖縄 577 108 80 81 846 8   685 13
5,812 822 745 302 233 7,914
-
  6,634
-

絶滅した種が多いのは都市部の県、でもホントか?

・ランク別に指定種数の多い都道府県をまとめたものが表2です。県によって違うランク基準を比較できるよう5つの「相当ランク」に分けてあります。

・(野生で)絶滅した種の数が多いのは、東京、神奈川、大阪など都市部を抱える都府県であることが分かります。

・やっぱり、都市化でどんどん絶滅していったのでしょうか。

・でも、”都市化したから絶滅した”と言い切るのはちょっと待ってください。というのは、絶滅したと判断するには、「過去にその種が存在していたこと」を示す資料がちゃんと残っている必要があるからです。

・言い換えると、神奈川や千葉のように自然史をしっかり研究している県では、過去の資料と現在の資料がそろっているため「絶滅したことがちゃんと分かった」だけなのかもしれません。逆に、絶滅した種の数が少ない県は、「実は絶滅しているが、その証拠がない」というだけなのかもしれません。

・なお、絶滅危惧1類より下位のランクには鹿児島県が入っていますが、この表で見ても飛び抜けて多いのが分かります。

表2 ランクの指定数の多い県(維管束植物で比較) [H19.12時点]
順位 絶滅相当 絶滅危惧1類相当 絶滅危惧2類相当 準絶滅危惧相当 その他
1位 神奈川(134) 徳島(533) 鹿児島(423) 鹿児島(755) 鹿児島(684)
2位 大阪(84) 長野(512) 新潟(267) 東京(362) 滋賀(285)
3位 千葉(81) 高知(492) 石川(234) 北海道(316) 福島(276)
4位 東京(78) 鹿児島(487) 山口(224) 石川(235) 新潟(234)
5位 京都(67) 熊本(412) 愛媛(221) 奈良(227) 長野(203)

ランクが高いのと低いのと、どちらの方が多い?

・一つの県で見たとき、ランクが高い(希少な)種の数が多いでしょうか、それともランクが低い(それほど希少でない)種の数の方が多いでしょうか。

・実はこれ、県によって違います(表3)。全部の県で見ると、「ランクが高い種の方が多い」県が29県(47県中)あり、数が多いようです。

・素直に考えると、「ランクが高い種の方が少ない」風になるように思えます。例えば、国民の何分の一かが風邪引きで、その何分の一かが熱を出していて、その何分の一かが高熱で、その何分の一かが重症、みたいに想像できますよね。

・レッドデータブックで言い換えると、全植物種(国民)のうちの何分の一かがレッドデータブック指定種(風邪引き)で、その何分の一かが準絶滅種以上(熱を出し)のランクで、その何分の一かが絶滅危惧2類以上(高熱)で、その何分の一かが絶滅危惧1類(重症)、という風になると思います。

・でも「ランクが高い種の方が多い」というのは、「風邪引いている人のほとんどが、重症者」ということですので、かなり異常な感じがします。

量的判断基準により評価している環境省のレッドデータブックでも、ランクが高い種の方が多くなっているので、レッドデータブックの指定とはこういうものなのかもしれません。でも、重傷者が多すぎると、保全や配慮の手が回らず、十分な対応ができなくなることがあるので、実務的には「ランクが高い種の方が少ない」という方が、良いような気がします。

表3 ランク別指定種数と、数が多い方のランク (維管束植物で比較) [H19.12時点]
県名 絶滅相当 1類相当 2類相当 準絶滅相当 その他 多いのは
環境省 41 1,014 676 255 32 2,018 高ランク
北海道 3 83 109 316 1 512 低ランク
青森 7 212 48 32 299 高ランク
岩手 8 312 149 12 73 554 高ランク
宮城 13 163 128 66 139 509 高ランク
秋田 18 414 149 159 135 875 高ランク
山形 40 240 106 38 38 462 高ランク
福島 7 104 156 122 276 665 低ランク
茨城 23 88 152 128 391 傾向なし
栃木 32 91 143 144 68 478 低ランク
群馬 55 157 26 11 133 382 高ランク
埼玉 21 389 196 108 55 769 高ランク
千葉 81 111 181 224 141 738 低ランク
東京 78 300 207 362 48 995 傾向なし
神奈川 134 369 87 14 3 607 高ランク
新潟 3 83 267 80 234 667 低ランク
富山 17 84 92 124 70 387 低ランク
石川 9 139 234 235 35 652 低ランク
福井 13 159 130 76 80 458 高ランク
山梨 4 260 107 32 52 455 高ランク
長野 31 512 141 122 203 1,009 高ランク
岐阜 0 24 54 57 54 189 低ランク
静岡 5 196 206 58 198 663 傾向なし
愛知 35 204 202 114 555 高ランク
三重 40 278 91 14 6 429 高ランク
滋賀 20 41 56 117 285 519 低ランク
京都 67 184 171 155 88 665 高ランク
大阪 84 125 60 89 93 451 高ランク
兵庫 0 212 183 169 32 596 高ランク
奈良 34 244 206 227 40 751 傾向なし
和歌山 18 278 128 87 16 527 高ランク
鳥取 8 84 116 109 13 330 傾向なし
島根 3 82 125 111 18 339 傾向なし
岡山 24 98 144 167 132 565 低ランク
広島 3 80 125 121 25 354 傾向なし
山口 0 320 224 82 0 626 高ランク
徳島 30 533 156 19 76 814 高ランク
香川 5 201 95 89 11 401 高ランク
愛媛 10 334 221 75 186 826 高ランク
高知 40 492 137 70 36 775 高ランク
福岡 39 296 95 18 132 580 高ランク
佐賀 32 137 139 92 9 409 高ランク
長崎 21 349 144 27 9 550 高ランク
熊本 12 421 143 172 57 805 高ランク
大分 1 281 203 109 111 705 高ランク
宮崎 33 361 53 34 26 507 高ランク
鹿児島 28 487 423 755 684 2,377 傾向なし
沖縄 13 348 188 51 85 685 高ランク

 

 

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